Doom Emacsのインストールと設定

インストール手順

  1. Doom Emacsのリポジトリをクローンする

    git clone --depth 1 https://github.com/doomemacs/doomemacs ~/.config/emacs
  2. Doom Emacsをインストールする

    ~/.config/emacs/bin/doom install

    これにより、設定ファイルは~/.config/doom/に、Doom Emacs用のユーザーディレクトリuser-emacs-directory~/.config/emacs/にインストールされます。従来のEmacsのユーザーディレクトリは~/.emacs.d/のままですので、影響を受けることはありませんが、バックアップを取ることをお勧めします。

  3. パスの設定
    Doomコマンドのパスは~/.config/emacs/bin/doomです。システム全体で利用できるようにパスを通すには、以下の方法があります。

    • .bashrcや.zshrcに追加

      echo 'export PATH=$PATH:$HOME/.config/emacs/bin' >> ~/.bashrc
      source ~/.bashrc

      または

      echo 'export PATH=$PATH:$HOME/.config/emacs/bin' >> ~/.zshrc
      source ~/.zshrc

      .bashrc以外のファイルでもパスを設定できますが、使用するシェルやログイン方法によって読み込まれるタイミングが異なります。

      • .bashrc: 通常、ターミナルを新しく開くたびに読み込まれます。
      • .profile: ログインシェル時に読み込まれます。ターミナルを新しく開くたびに読み込まれないため、反映するにはターミナル内でsource ~/.profileを実行する必要があります。
      • .bash_aliases: 通常、.bashrc内で読み込まれるように設定されています。.bashrcが読み込まれるたびに自動的に読み込まれます。

Doom Emacsの起動

Doom Emacsを起動するには、以下のコマンドを使用します(Emacs 29以降)。Emacsの変数user-emacs-directoryを指定して起動するためです。1 2

emacs --maximized --init-directory ~/.config/emacs/

--maximizedオプションは画面を最大化するためのもので、省略可能です。ショートカットキーに登録すると便利です。
Ubuntuの場合は以下の通りです:

  1. 設定
  2. キーボード
  3. ショートカットの表示と設定
  4. 独自のショートカット
  5. +をクリック

~/.bash_aliasesにエイリアスを登録しても良いでしょう。

alias emacs.doom='emacs --maximized --init-directory ~/.config/emacs/'

基本的な使い方

Doom EmacsはVimユーザーにも親しみやすい設定が整っています。基本的な操作はVimと似ていますが、Emacs独自の機能も多く利用できます。
All-the-icons fontsの文字化けはM-x nerd-icons-install-fontsを実行すれば解消されます。3

Doomコマンドの基礎

Doomコマンドは、Doom Emacsの設定やパッケージ管理に利用されます。例えば、パッケージをインストールする際には、Doom Emacs内で特定のコマンドを実行します。

予めインストールされるパッケージ

Doom Emacsには、多くの便利なパッケージがデフォルトでインストールされています。これにより、すぐにでも効率的な開発環境を構築できます。
多くは~/.config/doom/init.elの各行をアンコメントし、doom syncすることですぐに有効化出来ます。4

Doom Emacsでパッケージをインストールする方法

Doom Emacsでは、straight.elがデフォルトのパッケージマネージャーとして使用されています。新しいパッケージをインストールするには、設定ファイルを編集してからdoom syncコマンドを実行する必要があります。

Codeium.elのインストールと設定

  1. Codeium.elのインストール
    Doom Emacsでは、codeium.elを直接インストールする方法は通常のEmacsと異なります。まず、~/.config/doom/packages.elに以下のコードを追加します:

    (package! codeium :recipe (:host github :repo "Exafunction/codeium.el"))

    編集後は、以下のコマンドで設定を反映させます:

    ~/.config/emacs/bin/doom sync

    次にDoom Emacs内で以下のコマンドを実行します:

    M-x codeium-install

    APIキーを自動取得するオプションが表示されます。autoを選択すると、Webブラウザでログイン画面が表示され、ログイン後にAPIキーが自動取得されます。
    ~/.config/doom/custom.elに保存されます。

  2. 設定
    codeium.elの設定は、customize-variableコマンドではなく、~/.config/doom/config.elを直接編集する必要があります。編集後は、doom syncは不要です。

    以下のコードは、codeium-completion-at-pointcompletion-at-point-functionsに追加するものです:

    (add-to-list 'completion-at-point-functions #'codeium-completion-at-point)

    このコードにより、Codeiumの補完機能が有効になります。また、codeium.elの設定をコピーしても良いでしょう。ただし、codeium.elが正しくインストールされ、他の設定が競合していないことを確認する必要があります。